管理会社・建物オーナーの方へ
管理物件のシャッター工事で確認すること(承認・日程調整・立会い)
管理区分と発注者、承認の資料、日程の調整、引き渡しまでの流れ

マンションやテナントビルのシャッターが動かなくなった。古くなった共用部のシャッターを交換したい。管理物件でこうした工事を進めるときは、工事の内容だけでなく、承認の手続きや入居者への案内、立会いなど、確認することが多くなります。
最初に確かめたいのは、そのシャッターを誰が管理し、誰が発注するかです。ここがあいまいなまま見積もりを取ると、承認の窓口や費用の負担が後から変わり、日程を組み直すことにもなりかねません。
この記事では、管理会社・建物オーナー・店舗の運営者の方に向けて、管理物件のシャッター工事で確認したいことを、依頼から引き渡しまでの順番でまとめます。
最初に確認する:管理区分と発注者
管理物件のシャッターは、どの区分の設備かによって、話を進める相手が変わります。まず次の3点を整理しましょう。

共用部か、専有部・テナント区画か
建物の出入口や駐車場、ごみ置き場などのシャッターは、共用部の設備として扱われることがあります。一方、店舗の入口のシャッターは、テナント区画の設備として扱われることがあります。どちらに当たるかは、管理規約や賃貸借の契約で決まります。建物によって扱いが違うため、思い込みで判断せず、書面で確認しておくと安心です。
発注者と費用の負担
同じ建物でも、管理組合、オーナー、テナントのどなたが発注するかによって、見積書の宛先や支払いの流れが変わります。テナント区画のシャッターでも、建物側の承認が必要な場合があります。発注者と費用を負担する方が別になるときは、その点も最初に伝えておくと、見積書を作り直す手間が減ります。
承認の要否と窓口
管理組合やオーナーの承認が必要か、必要なら誰が窓口になるかを確認します。承認に理事会などの手続きが必要な場合は、工事日を決める前に、承認までにかかる期間を見込んでおきましょう。
不具合が起きて急ぐときも、先に連絡の流れを決める
シャッターが閉まらない、途中で止まったなど、急いで対応したい不具合もあります。その場合も、誰が業者に連絡し、誰が費用の判断をするかだけは先に決めておきましょう。現場では、シャッターの下に人が入らないよう周りに知らせ、使用を止めてもらいます。止まっている位置や、直前にあったことを記録し、離れた安全な場所から全体の写真を撮っておくと、相談がスムーズです。
承認・申請で求められることがある資料
管理規約によっては、工事の前に申請が必要です。申請では、次のような資料の提出を求められることがあります。
| 資料 | 内容 | 確認しておきたいこと |
|---|---|---|
| 工事の日程と作業内容 | 日ごとに、どこで何をするかが分かる資料 | 音が出る作業や、通れなくなる時間帯が分かるか |
| 製品の仕様書 | 取り付けるシャッターや部品の仕様 | 手動・電動の別、防火シャッターかどうか |
| 取り付け部分の図面 | 取り付ける位置や寸法が分かる図面 | 既存の図面があるか、現地で確認が必要か |
必要な資料の種類や申請の期限は、管理組合・管理会社の規定によって異なります。依頼する前に確認しておくと、日程を決めやすくなります。承認を得る前の段階でも、現地を確認したうえで、工事の内容と申請に必要な資料についてご相談いただけます。

日程と現場の調整
承認が下りたら、工事日を具体的に決めていきます。管理物件では、入居者やテナント、ほかの業者との調整が欠かせません。
| 調整すること | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 入居者・テナントへの案内 | 作業日、通れなくなる場所、音が出る時間帯 | 掲示や配布の時期を、管理側の決まりに合わせる |
| 作業できる時間帯 | 建物の規定で作業時間が決まっている場合がある | 店舗は営業への影響が少ない日時を相談する |
| 車両と搬入経路 | 作業車両を停める場所、部材を運ぶ経路 | 駐車場所や搬入口の使用に申請が要るか確認する |
| 入館の手続き | 鍵の受け渡し、入館の届け出、立会いの要否 | 現地調査の段階から必要になることがある |
| 他の工事との調整 | 外壁や内装の工事が同じ時期にある場合 | 作業の順番や範囲を、工事の担当者同士で決める |
店舗が入っている区画の場合
店舗の入口のシャッターは、営業中に開け閉めできなくなると、防犯や営業に直接影響します。営業への影響を抑えられるよう、作業の日時をご相談のうえで決めます。テナントと建物側の両方に連絡が必要な場合は、どちらが案内を出すかを決めておくと、連絡の行き違いを防げます。
工場・倉庫の搬入口の場合
搬入口のシャッターは、工事の間は使えなくなります。開口の寸法と車両の動線、シャッターを止められる時間帯を確認し、荷物の出し入れの予定とあわせて工事日を決めます。
案内は「いつ・どこが・どうなるか」を具体的に
入居者への案内では、作業日と時間帯、通れなくなる場所、音が出る作業の時間を具体的に書くと、問い合わせが減ります。車の出し入れに使うシャッターでは、工事中に車を出せるかどうかも書いておきましょう。

【やってはいけないこと】
- 承認が下りる前に工事日を確定させ、入居者へ案内する(承認が遅れると、案内のやり直しになる)
- 不具合が出た共用部のシャッターを、そのまま使い続けてもらう(症状が悪化したり、思わぬけがにつながったりする)
- 止まったシャッターを管理側で無理に動かす、カバーを外す(内部には強い力がかかっており危険)
- 防火シャッターの動作を確かめるために、手動で閉鎖させたり感知器を操作したりする
立会いと引き渡しで確認すること
工事の後は、動作の確認と操作方法の説明を行います。管理者の方の立会いが必要かどうかは、事前に決めておくと安心です。立会いが難しい場合は、確認の結果をどのように報告するかを決めておきましょう。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 動作の確認 | 開閉の動き、止まる位置、異音がないか |
| 操作方法の説明 | 誰が操作するか、テナントへの説明が必要か |
| 鍵・リモコンの本数 | 受け取った本数と、誰が保管するか |
| 今後の連絡先 | 不具合が出たときの連絡先と窓口 |
| 保証の内容 | 保証の期間と、対象になる範囲 |
日本シャッターサービスセンターでは、施工に5年間の保証を付けています。保証の対象になる範囲は、工事の内容とあわせてご案内します。鍵やリモコンを複数のテナントで使う場合は、本数と保管する方を一覧にしておくと、入れ替わりがあったときにも確認しやすくなります。
管理者が立ち会えないときは
遠方の物件や、平日に担当者が現地へ行けない物件もあります。その場合は、テナントや建物の管理員の方に立ち会っていただくか、作業後に写真と説明で報告を受けるかを、事前に決めておきます。操作方法の説明を誰が受けるかも、あわせて決めておきましょう。
防火シャッターがある場合
建物の中に防火シャッターがある場合は、通常のシャッターとは確認する点が変わります。防火シャッターの工事では、対象の製品や、連動する感知器などの装置の確認が必要です。
保守点検と法定の定期検査・報告は別のもの
防火シャッターには、不具合を早く見つけるための保守点検と、建築基準法第12条に基づく定期検査・報告があります。保守点検は、所有者や管理者が任意で依頼するもので、行政への報告の義務はありません。法定の定期検査は、対象となる建物の防火設備を、防火設備検査員などの資格者が検査し、その結果を所有者・管理者が特定行政庁へ報告する制度です。
対象かどうかと時期は建物ごとに確認する
定期検査・報告の対象になるかどうか、報告の時期や範囲は、建物の用途や規模、所在地を管轄する特定行政庁によって異なります。過去の報告書の控えや、前の管理者からの引き継ぎ資料、行政の窓口で確認できます。
日本シャッターサービスセンターでは、防火シャッターの保守点検、修理・部品交換、新設・交換に加え、法定の定期検査にも対応しています(資格者が複数在籍、点検・検査は年間約500件)。
店舗のシャッターの施工事例
テナント区画の中でも、店舗の入口のシャッターは、鍵の不具合で営業に影響が出ることがあります。日本シャッターサービスセンターで対応した事例を2つご紹介します。
江戸川区:外側から鍵がかからない手動シャッター
東京都江戸川区の店舗入口で、内側からは鍵がかかるものの、外側から施錠できないというご相談でした。2026年7月に手動シャッターの鍵交換を行い、配線処理や現場での加工、天井の解体・復旧は行っていません。
新宿区:鍵が回るのに施錠できない手動シャッター
東京都新宿区の店舗入口で、鍵は回るものの施錠できなくなったというご相談でした。鍵の交換を想定されていましたが、実際にはラッチの交換と現場での加工作業を行い、2026年9月に完了しています。
ご相談時に想定していた部品と、実際に交換する部品が違うこともあります。管理側で見積もりを確認するときは、交換する部品と作業の範囲を書面で確認しておきましょう。
見積もりの依頼と費用が変わる要素
見積もりを依頼するときは、次の内容を分かる範囲でお知らせください。メーカー名や型式、防火シャッターかどうかが分からない場合も、そのままご相談いただけます。

- 物件の所在地と用途
- 設置場所と台数、おおよその幅と高さ
- 不具合の内容、またはご希望の工事
- 承認手続きの有無と、提出が必要な資料
- 作業できる曜日・時間帯、車両の駐車場所
- 見積書の宛先と、承認の窓口
費用が変わる要素
管理物件のシャッター工事は、修理・交換・新設のどれに当たるか、台数や建物の条件によって費用の幅が大きくなります。そのため、ここでは金額ではなく、費用が変わる主な要素をまとめます。
| 要素 | 費用に関わる内容 |
|---|---|
| 工事の種類 | 調整・部品交換か、本体の交換か、新設か、電動化か |
| シャッターの種類と大きさ | 手動・電動の別、軽量・重量の別、幅と高さ |
| 台数・物件の数 | 複数台・複数の物件をまとめて工事するか |
| 防火シャッターかどうか | 製品の選定、連動する装置の確認が必要か |
| 作業の時間帯 | 夜間や休日など、建物の規定に合わせた作業になるか |
| 現場の条件 | 搬入経路、車両の駐車場所、配線や現場での加工の有無 |
※上記は目安です。シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。別途、基本料金や当日対応・夜間対応の料金がかかる場合があります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。
修理の場合の基本料金は、店舗18,000円、工場20,000円(税別)です。これに作業料金(1時間6,000円、税別)や部品代が加わります。複数の物件をまとめてご相談いただく場合は、物件ごとの所在地と台数をお知らせください。現地確認の進め方をご案内します。
まとめ
管理物件のシャッター工事では、まず管理区分と発注者を確かめ、承認に必要な資料と期限を確認します。そのうえで、入居者やテナントへの案内、作業時間や搬入経路を調整し、引き渡しでは動作と鍵・リモコンの本数、連絡先、保証を確認します。防火シャッターがある場合は、保守点検と法定の定期検査・報告の違いも押さえておきましょう。
この順番で整理しておくと、承認のやり直しや日程の組み直しを減らせます。分からない点があれば、現地を確認しながら一緒に整理します。
【付録】この記事で使った用語
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 共用部 | 建物の出入口や通路など、入居者が共同で使う部分。 |
| 専有部・テナント区画 | 各住戸や店舗など、特定の入居者が使う部分。 |
| 管理規約 | 建物の使い方や工事の手続きなどを定めたルール。 |
| 仕様書 | 取り付ける製品の種類や寸法、性能などをまとめた書類。 |
| 立会い | 工事や動作確認の場に、管理者などが同席して確認すること。 |
| 引き渡し | 工事の完了後、動作確認と説明を経て、設備を使える状態で渡すこと。 |
| 防火シャッター | 火災のときに閉まり、炎や煙が広がるのを抑えるためのシャッター。 |
| 保守点検 | 所有者や管理者が任意で依頼し、不具合を早く見つけるために行う点検。 |
| 定期検査・報告 | 建築基準法第12条に基づき、資格者が検査し、所有者・管理者が特定行政庁へ報告する制度。 |
| 特定行政庁 | 建築に関する手続きを担当する行政の機関。建物の所在地で決まる。 |
| 防火設備検査員 | 防火設備の法定の定期検査を行うことができる資格者。 |