建物の管理者・オーナーの方へ

シャッター新設工事の流れと日程の考え方

相談・現地調査・見積もり・手配・施工・引き渡しの各段階で、発注する側がすること

公開日:作成:日本シャッターサービスセンター
開口の前のパレットに、保護フィルムで包まれた新しいシャッターの巻いたカーテンとケースが置かれている様子を斜めからのイメージ
イメージ画像(AI生成)

シャッターの新設を任されたとき、まず気になるのは「いつ使えるようになるのか」ではないでしょうか。社内の稼働の予定や、店舗の開業日、建物の改修工事の日程と合わせて、工事日を決めなければならない場面は多くあります。

新設工事の日程は、工事そのものの時間よりも、その前の準備と調整で決まる部分が大きくなります。 管理会社や社内の承認、製品の手配、電気工事や他の工事との順番など、発注する側が関わる段階がいくつもあるためです。

この記事では、シャッターの新設を発注する法人の担当者や建物のオーナーに向けて、相談から引き渡しまでの流れと、各段階ですること、日程の考え方をまとめます。

新設工事の全体の流れ

新設工事は、大きく次の6つの段階で進みます。発注する側がすることを、段階ごとに整理しました。

新設工事の6つの段階
段階 主な内容 発注する側がすること
① ご相談 設置したい場所と目的を伺う 目的、場所、使い始めたい時期、写真を伝える
② 現地調査 寸法と取り付けの条件を確認する 立会いの担当者と、入館・駐車の手配
③ お見積もり 工事の範囲と別途の項目を示す 範囲を確認し、不明点を質問する
④ ご発注 正式な依頼 社内の承認、管理会社・管理組合の承認
⑤ 手配・日程 製品を手配し、工事日を決める 稼働を止められる日時、他の工事の予定を共有
⑥ 施工・引き渡し 取り付け、動作確認、説明 立入りの制限、動作確認への立会い、書類の受け取り

相談と現地調査

相談の段階では、決まっていないことがあってもかまいません。目的と場所、使い始めたい時期が分かれば、現地調査の段取りを組めます。現地調査では、開口の寸法、上部のスペース、壁や柱の下地、床、電源などを確認します。立会いの担当者が建物の事情を知っていると、確認が早く進みます。複数の開口にまとめて付ける場合は、どの開口から先に工事したいか、同時に使えなくなってもよいかも、この段階で伝えておくと日程を組みやすくなります。

見積もりと発注

見積書を受け取ったら、シャッター本体と取り付けの範囲、撤去や復旧、電気工事が含まれているかを確認します。法人の場合、社内の稟議に時間がかかることも少なくありません。承認の流れが分かっていれば、見積もりの提出時期をそれに合わせることもできます。

手配と工事日の決定

発注をいただいてから、製品を手配し、工事日を決めます。工事日は、製品がそろう時期と、建物の稼働の予定の両方を見て決めます。工事に必要な時間は、シャッターの種類や大きさ、撤去や電気工事の有無によって変わるため、仮の予定の段階で、作業に入る日と使えない時間帯をお伝えします。

日程が決まるまでに時間がかかる要素

工事日が決まるまでの時間は、建物や製品によって変わります。ここでは日数ではなく、時間がかかりやすい要素を整理します。

社内と建物の承認

社内の稟議に加え、テナントビルや管理物件では、管理会社や管理組合の承認が必要な場合があります。申請の書式や、承認が出るまでの期間は建物ごとに異なるため、相談と並行して確認しておくと手戻りを防げます。

製品の手配

シャッターは、開口の寸法に合わせて手配する製品です。種類や大きさによって、手配にかかる時間が変わります。発注の後に寸法や仕様を変えると、手配をやり直すことになり、日程に影響します。

他の工事との順番

建物の新築や改装と同時に進める場合は、内装、電気、外壁などの工事との順番が関わります。シャッターを取り付ける前に終えておく工事、後で行う工事を整理し、工事を取りまとめる方と日程を共有しましょう。

電気工事

電動のシャッターでは、電源の工事が必要です。電気工事士法では、一定の電気工事は電気工事士などの資格者でなければ行えないとされています。建物の電気工事を別の会社が担当する場合は、電源の位置と工事の時期をすり合わせておきます。

稼働を止められる時間

工事中は、開口部の前で作業を行います。搬入口や店舗の入口を使えない時間が生じるため、工場や倉庫では出荷の予定、店舗では営業の時間と合わせて、作業できる日時を決めます。

日程の考え方

日程は、使い始めたい日から逆にたどって考えると整理しやすくなります。

使い始めたい日から考える日程表の例

まず、使い始めたい日と、その日が動かせるかどうかを決めます。開業日や稼働の開始日のように動かせない日がある場合は、相談の段階で伝えてください。現地調査の後に、承認や手配にかかる時間を見込んだ仮の予定をお示しします。

仮の予定のなかで、日程を左右しやすいのは承認と手配です。発注が遅れるほど、工事日も後ろにずれていきます。社内の承認に時間がかかる場合は、早めに相談を始めることが、結果として日程に余裕を持たせることにつながります。

屋外での作業がある場合は、天候によって工事日を変更することがあります。予備の日を考えておくと、変更があったときに慌てずに済みます。

日程を早く固めるために、発注する側ができること

  • 使い始めたい日と、動かせない日を最初に伝える
  • 社内の承認と、管理会社・管理組合の承認の流れを早めに確認する
  • 寸法や仕様、手動か電動かを、発注の前に決めきる
  • 他の工事を取りまとめる方の連絡先を共有する
  • 作業できる曜日・時間帯と、入館・駐車の条件をまとめておく

どれも難しい準備ではありませんが、後から決めようとすると、そのたびに日程の調整が必要になります。分かる範囲で先にそろえておくことが、全体を短くする一番の近道です。

防火シャッターを新設する場合

防火の指定がある開口部に新設する場合は、通常のシャッターとは確認することが増えます。

製品選びにも決まりがあります。日本シヤッター・ドア協会の資料では、平成17年7月の施行令の改正を受けて、同年12月1日以降に防火シャッターなどを新しく付ける場合は、閉まるときの危害防止機構などを備えることが義務になったと説明されています。

また、建築基準法第12条に基づく定期報告制度では、対象となる建物の防火設備について、資格者による定期の検査と、特定行政庁への報告が求められます。新設した防火シャッターが対象になるかどうか、報告の時期はいつかは、建物の用途や所在地によって特定行政庁ごとに異なります。工事の後の管理まで見据えて、建物の管理担当者と確認しておきましょう。

工事当日と引き渡しで確認すること

工事当日

工事中は、作業する範囲への立入りを制限します。周りの荷物や商品は、事前に移動しておいていただくと作業が進めやすくなります。床や壁を傷つけないための養生も行います。テナントや従業員への案内は、発注する側から事前にお知らせしておくと安心です。作業の音が出る時間帯や、作業車を止める場所も、事前に建物の管理者と確認しておきましょう。

夕暮れの倉庫の搬入口に、取り付けたばかりの新しいシャッターが閉まっている様子を正面からのイメージ
イメージ画像(AI生成)

引き渡し

取り付けが終わったら、動作を確認したうえでお引き渡しします。実際に操作する方に立ち会っていただくと、使い方をその場で確かめられます。

引き渡しのときに確認すること
  • 全開と全閉で正しく止まるか
  • スイッチや鍵など、操作の方法
  • 停電時など、いつもと違うときの扱い(製品によって異なる)
  • 保証の内容と、受け取る書類
  • 不具合のときの連絡先

受け取った書類は、設置場所が分かるようにまとめて保管しましょう。次の点検や修理の相談のときに役立ちます。

引き渡しの後

使い始めてから、音や動きがいつもと違うと感じたら、早めに連絡してください。業界団体の日本シヤッター・ドア協会は、開閉時の異音や振動、変形の有無、全開・全閉で止まるかといった日頃の確認と、専門業者による定期的な保守点検を勧めています。新設したばかりのシャッターでも、使い方や設置場所によって状態は変わります。点検の時期も、引き渡しのときにあわせて相談しておくと安心です。

【やってはいけないこと】

  • 寸法や仕様を発注の後に変更する(手配のやり直しで日程がずれる)
  • 管理会社の承認を確認しないまま、工事日を決める
  • 工事中の立入り制限の範囲に入る、荷物を置く
  • 引き渡しの説明を受ける前に、自己判断で操作する

費用が変わる要素と、日本シャッターサービスセンターでできること

新設工事の費用は、製品と取り付けの条件、作業の条件によって変わります。ここでは金額の目安ではなく、費用が変わる主な要素を整理します。

費用が変わる要素 内容
シャッターの種類と大きさ 開口の幅と高さ、手動か電動か、防火の要否
取り付けの条件 上部のスペース、下地の補強の要否
撤去と復旧 既存の建具の撤去・処分、天井や外壁の復旧
電気工事 電源の取り方、操作スイッチの位置
作業の条件 作業できる日時、夜間や休日の作業の要否、搬入の条件

※費用は、シャッターの種類・大きさ・設置状況、部品の取り寄せの有無によって変わります。正確な費用は、現地で状態を確認したうえでお見積もりします。

日本シャッターサービスセンターでは、工場・倉庫・店舗・管理物件、住宅のシャッターの新設を承ります。法人のお客様には、稼働の予定や承認の流れを伺い、作業できる日時と範囲を整理してからお見積もりします。防火シャッターの点検・法定の定期検査を行える資格者が複数在籍しており、防火シャッターの新設後の管理についてもご相談いただけます。新設・防火・法人の工事には5年間の施工保証が付きます。

まとめ

シャッターの新設は、相談、現地調査、見積もり、発注、手配と日程の決定、施工と引き渡しの順で進みます。日程を左右しやすいのは、社内や建物の承認、製品の手配、他の工事や電気工事との順番、稼働を止められる時間です。使い始めたい日から逆にたどり、動かせない日がある場合は相談の段階で伝えましょう。防火シャッターを新設する場合は、危害防止機構の設置や、定期報告の対象かどうかも確認が必要です。

工事の後は、引き渡しで操作と書類を確認し、まとめて保管しておくことが、その後の点検や修理をスムーズにします。

新設の進め方は「シャッターの新設・取り付け」、工場・倉庫・管理物件で稼働や承認に合わせて進めたい場合は「法人向けシャッター工事」のページもご覧ください。

【付録】この記事で使った用語

用語 説明
新設 シャッターがない開口部に、新しくシャッターを取り付けること。
現地調査 取り付ける場所の寸法や条件を、現地で確認すること。
稟議 社内で発注などの承認を得るための手続き。
養生 工事中に床や壁、周りの物を傷や汚れから守るための処置。
引き渡し 工事が終わり、動作を確認したうえでシャッターを使える状態でお渡しすること。
防火シャッター 火災のときに閉まり、炎や煙が広がるのを抑えるためのシャッター。
危害防止機構 防火シャッターなどが閉まるときに、人が挟まれる事故を防ぐための仕組み。
定期報告制度 建築基準法第12条に基づき、対象の建物の防火設備などを資格者が検査し、特定行政庁へ報告する制度。
特定行政庁 建築に関する行政を担う自治体。定期報告の対象や時期を定め、報告を受ける。
電気工事士 電気工事士法に基づき、一定の電気工事を行うことができる資格者。
作成:日本シャッターサービスセンター
運営:ジャパン合同会社。施工事例やご相談前の確認事項を掲載しています。

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